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社員食堂の食事代、現金・天引きどっちが良い?正しい処理方法を解説!

社員食堂を導入するときに迷いやすいのが、「食事代を現金で受け取るか」「給料から天引きするか」という点です。

 

支払い方法によって、経理処理や税務上の扱いが変わるため、正しく運用しなければトラブルになることもあります。
この記事では、社員食堂の食事代の扱い方や給与天引きの注意点をわかりやすく解説します。

 

社員食堂の食事代の支払い方法は2種類

現金払い方式

社員が食事を利用するたびに、その場で現金を支払う方法です。
小規模オフィスや利用者数が少ない事業所では管理しやすく、経理処理も単純です。

 

ただし、釣り銭や徴収漏れが発生しやすく、現金管理の手間がかかります。
また、利用記録を残しにくいため、利用状況を把握しにくい点もデメリットです。

給与天引き方式

社員が食堂を利用した分を月単位で集計し、給与支給時に差し引く方法です。
現金を扱う手間がなく、徴収漏れの心配もありません。

 

利用データを記録しておけば、経理や人事がまとめて処理でき、運用の効率化が図れます。
そのため、利用者が多い企業や複数拠点を持つ企業では、給与天引き方式が主流です。

給与天引きにする場合の注意点

法的な取り扱い

給与天引きを行う場合、労働基準法第24条で定められている「賃金の全額払いの原則」に注意が必要です。
社員の同意なしに控除することはできません。また、労使協定(書面による同意)の締結が必須になります。

 

そのため、就業規則に食事代の天引きについて明記し、社員本人の同意を得ておくことが大切です。
また、給与明細書にも「社員食堂利用料」「食費控除」などの項目を設け、明確に記載しましょう。

経理上の処理方法

給与天引きで徴収した金額は、会社側で一時的に預かる形になります。

仕訳上は「従業員立替金」または「預り金」として処理し、支払い時に「福利厚生費」などで相殺します。
会社が一部を補助している場合は、社員負担分と会社負担分を分けて計上することが重要です。

税務上の取り扱い

社員食堂の食事提供は、一定の条件を満たせば非課税の福利厚生として扱われます。
以下の2点を満たしていれば、課税対象にはなりません。

従業員が食事代の半額以上を負担している

社員食堂の費用を給与天引きにする場合、「福利厚生」として非課税扱いにするために、以下の2つの条件を満たす必要があります。

 

  • 会社が食事代の半分以上を負担していること
  • 従業員が負担する金額が、食事の実際の価値に対して妥当であること

 

もし、従業員の負担額が極端に少ない場合や、特定の社員だけが優遇されている場合、その食事代は「給与」とみなされて課税対象となる(給与課税)ため、注意が必要です。

現金払いと天引き、それぞれのメリット・デメリット

社員食堂の支払い方法は、現金払い給与天引きの二択です。

 

現金払いは、小規模な食堂では管理が簡単ですが、徴収漏れのリスクや従業員の手間が発生します。

 

対して給与天引きは、自動集計で管理が圧倒的に効率的になり、ミスや現金の取り扱いが不要です。
経理処理が少し複雑になりますが、従業員にとっても手間がかかりません。

トラブルを防ぐための運用ポイント

  • 利用ルールを文書化する
    単価・天引きのタイミング・補助割合などを明文化
  • 同意書を取得する
    初回利用時に「給与から控除する」旨を同意してもらう
  • 給与明細に明示する
    天引き項目を記載し、透明性を確保
  • 利用データを残す
    月ごとの食数・金額を保存し、監査にも対応できる状態を維持

 

この4点を押さえておけば、社員・会社双方にとって安心して運用できます。

まとめ

社員食堂の食事代は、現金払いでも給与天引きでも運用できますが、効率性やミス防止の面では天引き方式が有利です。

労働基準法や税務上の要件を守りながら、社員が安心して利用できる仕組みを整えましょう。
給与処理と福利厚生を両立させることで、社員の満足度と働きやすさが高まります。

 

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