要介護状態でも自立した食生活ができるようにサポート。管理栄養士による居宅療養管理指導とは?
2022年10月22日
居宅療養管理指導とは、要介護状態になった人が自宅で自立した日常生活を送れるよう、医師や薬剤師、管理栄養士が訪問指導を行うサービスです。
指導内容は指導を受ける人の能力や状態などによって変わり、それぞれの環境に合わせて療養生活の質を向上させることができます。
今回は、居宅療養管理指導のなかでも主に「食」の面をサポートする管理栄養士の居宅療養管理指導についてご紹介します。
管理栄養士による管理指導
居宅療養管理指導では医師や薬剤師、看護師などの専門家からそれぞれの分野にあった指導を受けることができます。なかでも、管理栄養士の管理指導では、健康を維持するために欠かすことのできない「食」や「栄養」に関する指導を月2回受けることができます。
具体的には、噛む力や飲み込む力にあった食事の形態や栄養といった食事相談、糖尿病や高血圧などの慢性疾患や医師による食事指導内容に合わせた献立指導や調理方法の指導、栄養ケア計画の作成、高齢者の食と栄養に関する情報提供などです。食べる姿勢や食事介助の方法の指導も受けられます。
管理栄養士から管理指導を受けるメリット
管理栄養士から管理指導を受けると、高齢者の食と栄養に関する様玉な情報を得られるほか、個人の状態にあった栄養バランスのとり方、献立の作り方、調理の方法などを知ることができます。
これにより、高齢者の健康寿命を縮める原因となる低栄養状態の防止や、噛む力・飲み込む力に合わない食事をすることで起こる機能低下や誤飲といったトラブルを未然に防ぐことができます。
さらに、食事介助のやり方なども学べるため、初めて介護をする人や介護の仕方がわからない人がスムーズに介護を行えるようになります。訪問してもらえるため、通院などの負担が減るのも大きなメリットです。
利用の流れ
居宅療養管理指導を受けるためには、まず担当のケアマネージャーや主治医に相談する必要がありますが、管理栄養士の指導は医師の指導に基づいて行われるため、希望する場合はケアマネージャーではなく主治医に相談した方がスムーズでしょう。
相談すると心身の状況などにあった事業所や職種が手配されます。内容を確認し、居宅療養管理指導サービスの利用の同意があればサービス開始となります。
居宅療養管理指導サービスを利用できるのは要介護1以上の高齢者、または、特定疾病により要介護1以上の認定を受けた40~64歳の人です。利用負担は原則1割ですが、一定以上の所得がある場合は2割負担や3割負担となります。
まとめ
管理栄養士による居宅療養管理指導を受けると、食事や栄養に関する知識や情報、介助の方法などを知ることができます。
ただし、利用できるのは要介護1以上と限られており、認定を受けていない人は利用することができません。
また、居宅療養管理指導では献立の作り方や調理方法の指導を受けることはできても調理などは負担してもらえません。調理の負担が大きいという場合は、高齢者向け宅食サービスの利用を検討してもよいでしょう。