6月の行事食にはどんなものがありますか?
2025年05月19日
6月は梅雨入りの季節。
湿度や気温の変化により体調を崩しやすく、食欲が落ちる方も少なくありません。このような時期だからこそ、季節の行事や旬の食材を活かした「行事食」を通じて、季節の移ろいを感じながら心身の健康を保つ工夫が大切です。6月ならではの行事と、それにまつわる食文化を知ることで、日々の食生活に季節感を取り入れていきましょう。
6月の代表的な行事とその行事食
夏越の祓(6月30日)
「夏越の祓(なごしのはらえ)」は、1年の前半を無事に過ごせたことに感謝し、後半の健康と厄除けを祈る日本古来の行事です。多くの神社で「茅の輪くぐり」が行われ、心身を清める機会とされています。この日に食べられる伝統的な行事食が、「水無月(みなづき)」です。
水無月は、白いういろうの上に小豆をのせた三角形の和菓子。形は氷を表し、小豆には魔除けの意味が込められています。京都を中心に親しまれてきたこの和菓子は、梅雨の時期にも食べやすく、見た目も涼しげです。施設や社員食堂のデザートとしても喜ばれる一品です。
父の日(6月第3日曜日)
父の日は、日ごろの感謝を伝える絶好の機会です。家庭ではもちろん、企業や福祉施設でも「ごちそうメニュー」として特別な食事を提供することで、利用者や従業員の満足度向上につながります。
おすすめは、スタミナを意識したメニュー。例えば、にんにく醤油で味付けした牛肉のステーキ丼や、彩り豊かなサラダプレートなどが人気です。
6月の旬食材を使ったおすすめ献立
6月は、食材の面でも豊かな時期です。梅、しそ、枝豆、新じゃがいも、オクラ、鯵など、さっぱりとした味わいの食材が多く、食欲の落ちる梅雨時にも取り入れやすいものばかりです。
-
梅しそごはん:爽やかな風味で、さっぱりと食べられる主食メニュー。
-
鯵の南蛮漬け:旬の青魚を使い、酸味のあるタレが食欲をそそります。
-
新じゃがのそぼろ煮:甘辛く煮ることで食べやすく、栄養価も高いです。
-
枝豆入りの卵焼き:彩りも良く、お弁当や副菜にもぴったりです。
これらの献立は、高齢者施設の常食としても、社員食堂の日替わりメニューとしても応用が利きます。
地域に伝わる6月の食文化
日本各地には、6月に食べられる独自の伝統食や行事食が存在します。例えば、関西地方では夏越の祓に「水無月」を食べる習慣が根強く、京都では6月になると多くの和菓子店に並びます。
九州では、梅を使った料理や梅干しづくりが盛んに行われ、家庭の味として根付いています。また、広島県では「氷室まつり」に合わせて、「雪餅」という和菓子や冷菓を楽しむ風習も一部に残っています。
こうした地域文化を献立に取り入れることで、行事食が単なるイベント食ではなく、食育や郷土理解にもつながるコンテンツになります。
まとめ
6月は、行事が少ないと思われがちですが、夏越の祓や父の日など、季節や感謝を感じるきっかけにあふれた月です。旬の食材を活かし、行事にちなんだ献立を用意することで、給食や社員食堂、施設の食事に季節の彩りと楽しみを加えることができます。行事食は、日常の中にある“非日常”として、記憶に残る食体験をつくる力を持っています。