アスリート ハイパワー系の競技のための食事管理のポイント④
2019年02月12日
たんぱく質と合わせて摂りたい栄養素
筋力アップにはたんぱく質が必要で、かつ良質なたんぱく質の摂取が望まれると前回のコラムに記しました。良質のたんぱく質-必須アミノ酸のバランス-アミノ酸スコアでしたね。そして、アミノ酸効率を上げるためにはバランスよく摂取することがやはり大切だということも認識出来ました。よって、他の栄養素もおろそかにしてはいけないことがわかりますね。筋肉は、腱(筋肉と骨を付着させる結合組織)や靭帯(骨と骨を結合させ関節を形成する組織)で骨と繋がっています。ゆえに、これらの筋肉以外の部位も強化しなくては、筋肉をスムーズに動かすことは出来ません。そのために、疲労回復に効果的なビタミンCや骨代謝に関連するビタミンDにカルシウム、貧血に関係する鉄など、ビタミン類やミネラル類もバランスよく摂取する必要があります。
たんぱく質源と一緒に摂取出来る主な栄養素
たんぱく質源である、肉や魚、卵類に大豆類はたんぱく質単独で含まれているわけではありませんよね。併せてビタミン類やミネラル類も含まれています。以下に代表的な食品に含まれるその他の主な栄養素を記します。
たんぱく質源となる食品 |
その他の含まれる栄養素 |
牛肉(赤身) | 鉄 |
豚肉 | ビタミンB1 |
魚類 | 鉄、カルシウム、ビタミンD、n-3系脂肪酸 |
乳製品 | カルシウム |
卵 | 鉄 |
大豆製品 | 鉄、カルシウム、食物繊維 |
筋力向上をサポートする栄養素 その1
ビタミンB6
分解されたアミノ酸が体たんぱく質に再合成される際にはたらく酵素の活性にビタミンB6は必要です。筋肉を増やすうえで体たんぱく合成は重要なことから、ビタミンB6が筋力向上をサポートする栄養素の一つであることがわかりますね。また、たんぱく質の摂取量が増加するにしたがってビタミンB6の必要量も増すことが理解出来ることと思います。ビタミンB6は、体たんぱくの合成のみならず、運動を行う上で重要な神経伝達物質(セロトニンやドーパミン、アドレナリンなど)の合成にも関与しています。ビタミンB6は、肉類では、レバーや鶏肉など、魚類では、かつおやマグロ、鮭などに多く、野菜や果物では、ブロッコリーやアボカドに多く含まれています。残念なことに、ビタミンB6は水溶性ビタミンであることもあり、冷凍保存や料理によっての損失が大きいと言われています。よって、鮮度の良いものを食することが出来ると嬉しいですね。お刺身で、サラダとして、工夫して摂取できると良いですね。