運動中によく足がつる…。こむら返りの予防にいい食べ物と料理方法について教えてください。
2019年10月15日
寝ているときだけではなく、走ったりジャンプしたときなどに突然起こる「こむら返り」は、痛いというだけではなく、起こる状況によってはケガや事故の原因になることがあります。
足を動かせるようになっても痛みが残るうえ、再発するのではないかという不安からトレーニングの妨げになるかもしれません。
運動中に起こるこむら返りは、どうすれば防ぐことができるのでしょうか。
こむら返りの原因
こむら返りとは、アキレス腱にある「筋紡錘(きんぼうすい)」がうまく働かず、ふくらはぎの筋肉が過剰に収縮したり、収縮しなければならないときに収縮できずなかったりして痙攣をおこした状態です。
薬の副作用や病気、妊娠が原因で起こることがありますが、持病などがない健康な人の場合「ミネラル不足やビタミン不足による筋肉の異常収縮」「急激な冷えによる血行不良」「水分不足「筋肉疲労」が主な原因で起こります。
冷え込みによるこむら返りはストレッチや防寒になるサポーターを身につけることで予防できますが、ミネラル不足、ビタミン不足、水分不足は食事や飲み物で対処することになります。
こむら返り予防によい栄養素と食材
こむら返り予防に欠かせない栄養素は、なんといってもミネラルです。ミネラルは筋肉の収縮を制御する役割を持っているため、ミネラルが不足したりバランスが乱れていると足がつりやすくなってしまいます。
特に注意したいのがマグネシウムとカルシウムで、不足すると筋肉の収縮がうまくいかなかったり、足がつりやすくなったりするといわれています。
マグネシウムとカルシウムのバランスは2:1が理想といわれていますので、どちらか一方ではなく両方をバランスよく摂取しましょう。
また、汗をかいたときに吸収してしまうナトリウムとカリウムは脳から出た命令を筋肉に伝える役割があるため、不足すると足がつりやすくなります。水分と同時に補給できると良いでしょう。
ビタミンB群は筋肉の疲労を回復するといわれていますが、なかでも「チアミン」と呼ばれるビタミンB1は、脳や神経機能を正常に働かせる機能を持っているため、不足すると足がつりやすくなるといわれています。ほかのビタミンB群と合わせて摂取するように心がけましょう。
【カルシウムが多い食材】
乳製品、煮干し、しじみ、あさり、モロヘイヤ、大根の葉
【カリウムが多い食材】
海藻類、するめ、ホタテ貝柱、ホウレン草、タケノコ、納豆、切り干し大根
【マグネシウムが多い食材】
海藻類、ゴマ、ナッツ類、煮干し、あさり、大豆製品
【ビタミンB群が多い食材】
豚肉、胚芽米、玄米、ナッツ類、魚介類
こむら返り予防にオススメの料理方法
汗を一緒に流出してしまうカリウムやナトリウム、ビタミンB群は水溶性の栄養であるため、茹でる調理などを行うと栄養分が流れ出てしまいます。
また、ビタミンB群は熱に弱いため、できるだけ加熱しない方法で食べることができるとよいでしょう。
オススメの料理方法は、栄養分が溶けだした汁を飲むことができる「スープ」や、熱を加えない「サラダ」や「酢の物」です。
まとめ
こむらがえりの予防になる栄養素は運動によって消費が激しくなります。
また、これらの栄養素はこむら返り予防だけではなく、筋肉の疲労回復や筋骨の強化にも役立つ栄養ですので、ハードなトレーニングを行うアスリートは意識的に摂取する必要があります。
しかし、特定の栄養素に偏ってしまうと病気などの原因になることがありますので、特定の食品だけを食べるのではなく、バランスのよい食事を摂るよう心がけましょう。