マラソンなど持久力を必要とするアスリートに必要な栄養素と食べ物。
2019年02月01日
筋肉には大きく分けて「遅筋」と「速筋」の2種類があります。
遅筋は主に持久力、速筋は主に瞬発力に関わっており、アスリートは自分の競技に合わせて遅筋・速筋を育てていくトレーニングが必要となります。
マラソンやロードバイクなどの競技は運動時間が長く、高い持久力が求められるため、遅筋をメインに育て、鍛えていく必要があります。
しかし、仮に筋肉を育てることができていても筋肉を動かすためのエネルギーが枯渇したり、エネルギーをうまく消費できなかったりすると十分なパフォーマンスを得ることができません。
筋肉を作り、動かし、維持するためには、運動によるトレーニングだけではなく、食事による栄養補給が欠かせません。
持久力を高める栄養素
持久力を高める栄養素は、大きく5つに分けることができます。
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筋肉の材料となる「タンパク質」
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エネルギーとなる「炭水化物」
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糖質の代謝を促す「ビタミン」
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活性酸素を除去する「抗酸化物質」
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筋肉や骨を維持する「ミネラル」
タンパク質を材料に作られた筋肉は、炭水化物に含まれる糖質をエネルギーとして活動しますが、有酸素運動で糖質を代謝すると血中に活性酸素が発生します。
疲労物質である活性酸素が大量に発生・蓄積すると筋肉の機能性が損なわれてしまい、運動を維持することができなくなります。
そういった状況を避けるために、活性酸素を除去する「ビタミンC」や「ビタミンE」、「ポリフェノール類」、「フラボノイド類」、「カロテン類」といった抗酸化物質を体内に取り入れておくことが重要となります。
また、運動をして汗をかくと、汗と一緒にさまざまなミネラルが排出されてしまいます。
なかでも「鉄分」が不足すると貧血状態になり、運動機能が低下するほか健康を損なう可能性があります。
さらに、「カルシウム」が不足すると疲労骨折が起こりやすくなり、「カリウム」が不足すると「足が攣る」「疲労が取れない」といったことが起こりやすくなします。
運動により大量の汗をかくアスリートは、ミネラルの損失が激しいため一般人よりも欠乏しやすい傾向にあります。事故やケガを防止するためにも、ミネラルは積極的に補充しましょう。
持久力を高める食べ物
持久力を高める食べ物には以下のようなものがあります。
豚肉:タンパク質+ビタミンB群
ビタミンB1が豊富なうえ、脂肪も少ない「低カロリー高タンパク」なモモ肉、ヒレ肉。鉄分やビタミンCも豊富なレバーがおすすめです。
トマト:リコピン(抗酸化物質)+各種ビタミン+カリウム
古くから「トマトが赤くなれば医者が青くなる」といわれているトマトは、ビタミンB1、ビタミンC、クエン酸、リコピン、カリウムなどを豊富に含む健康食材です。
玄米:ビタミンB1+炭水化物+各種ミネラル
健康食材として近年再評価されている玄米は、白米に比べてビタミンとミネラルが豊富なことが特長です。抗ストレス作用があるGABAを含んでいるのも魅力ですね。
ただし、白米よりも消化が悪いという点には注意が必要です。
バナナ:カリウム+糖質
消化吸収がよいバナナはカリウムが豊富な食材。試合前や試合中の軽食として多くのアスリートに利用されています。
青魚:タンパク質+抗酸化物質+各種ビタミン+ミネラル
高い抗酸化力を持つDHAやEPAとタンパク質、ビタミンやミネラルを同時に摂取できる青魚はアスリートにもおすすめです。
なかでも、「サバ」「イワシ」は比較的安価で手に入りやすく、栄養が豊富です。
鉄分が豊富な「マグロ」「カツオ」もおすすめです。
納豆:タンパク質+各種ビタミン+ミネラル
良質の植物性たんぱく質を豊富に含む大豆を発酵させて作る納豆は、まさに「栄養の宝庫」です。
ビタミンB類や鉄分、カルシウムなどのミネラルを豊富に含んで低カロリーということから、ダイエット中の女性はもちろん、ラグビーの五郎丸さん、競輪の長塚智広さん、マラソンの渋井陽子さんなど、さまざまなアスリートから愛されています。
まとめ
人間の体は食事と運動で作られます。
スポーツのための体作りというとトレーニングばかりに注目が行きがちですが、ぬかるんだ土地にサビた鉄骨を使ってビルを建てることができないように、不健康で栄養が不足した状態では強い体を作ることができません。
健康的な食事で体の地盤を固め、栄養という建材を用意してはじめて、競技に必要な筋肉と能力を持つ体をビルドアップできます。