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減量中のアスリートへの食事の選び方と摂り方について教えてください。

アスリートの減量は一般的なダイエットとは異なり、筋肉量やスタミナが低下しないように注意しなくてはなりません。

そのため、単にカロリーだけではなく栄養のバランスや内容を考えた食事を選び、より効率よく栄養を摂る必要があります。

ポイント1 カロリー制限は体脂肪率に合わせて行う

減量といえばカロリー制限をイメージする方が多いかもしれませんが、一般の人に比べて体脂肪が少なく運動量が多いアスリートは、カロリー制限が原因でカロリー不足になると筋肉量が減少する原因となってしまいます。

減らしたい体脂肪の量が多い場合には、減らしたい体脂肪の量に合わせたカロリー制限を行ってもよいですが、体脂肪率が低い場合はカロリー制限は控えめにしたほうがよいでしょう。

ポイント2 食事回数は減らさない

「朝食抜き」「夕食抜き」など、食事回数を減らすのも一般的なダイエット法ですが、アスリートが食事回数を減らすと、トレーニング中に不足したエネルギーを補うために筋肉を消費してしまいます。

また、食事の間隔があいてしまうため、トレーニングの後に「ドカ食い」をしやすくなるなど、筋肉量低下と体脂肪・体重の増加に繋がりやすくなります。

例えば、1日の摂取カロリーを1600kcalに抑える場合、朝500kcal、昼800kcal、夕300kcalというように、1日でトータル1600kcalになるように調節します。

また、食事回数を減らすのではなく、1回の食事量を控えめにする代わりに食事回数を増やすと血糖値が安定し、減量しやすくなるといわれています。

ポイント3 質のよいタンパク質をしっかり摂る

カロリー制限や食事量の制限をしているときでもタンパク質の量は減らさないよう注意が必要です。

筋肉の原料であるタンパク質が不足すると体脂肪と一緒に筋肉も減少し、筋肉量を維持することができなくなります。

ただし、タンパク質が過剰になると体脂肪が増える原因となりますので、過剰摂取にならないよう心がけなくてはなりません。

ポイント4 ビタミンやミネラル不足に注意する

運動をすると汗と一緒にミネラルが流れ出てしまいます。

ミネラルやビタミンは筋肉の回復や骨の維持などの役割を持っているため、不足するとトレーニング中の負傷などに繋がることもあります。

また、ホルモン分泌異常や貧血の原因にもなるため、運動量の多いアスリートはビタミンやミネラルが不足しないよう、より積極的に摂取したほうがよいでしょう。

ポイント5 脂質と炭水化物の摂取量を調整

脂質と炭水化物は体脂肪の素というイメージがありますが、脂質は体のカロリー源になるだけでなく、体の細胞膜やホルモンを作ったり、脂溶性ビタミンの吸収を助けたりする役割を持っています。

また、炭水化物は運動時のカロリー源や疲労回復などに欠かすことができません。

そのため、極端に摂取量が不足するとパフォーマンスの低下を招いてしまいますので、摂取量を制限しすぎないよう調整する必要があります。

まとめ

質のよい栄養をバランスよく摂る必要があるアスリートのなかでも、減量中のアスリートの食事はバランス調整がより繊細になります。

スポーツの内容、アスリートの年齢や性別、体脂肪率によってバランス調整の方法も変わるため、栄養士と相談して献立を作るとよいでしょう。

アスリートのための食事にお悩みでしたら、「管理栄養士公認 スポーツ栄養士」の指導を受けている弊社に是非ご相談ください。