一覧に戻る

サイクリストなどのアスリート必見! 食事法「カーボ・ローディング」を行うメリット、デメリット 

マラソンやロードレースといった長距離・長時間の競技では、体内のエネルギー源である「グリコーゲン」が不足してエネルギー切れを起こしてしまうことがあります。

グリコーゲンが不足するとパフォーマンスが低下したり、グリコーゲンを確保するために筋肉が消費されてしまったりするだけではなく、低血糖状態が続くことで意識障害が起こる「ハンガーノック」になる可能性もあります。

こういった状況を避ける方法として有効なのが、試合前の数日間をかけて体内にグリコーゲンを貯める「カーボ・ローディング」です。

カーボ・ローディングにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。

カーボローディングのやりかた

カーボ・ローディングには、試合1週間~4日前まではハードなトレーニングと炭水化物の摂取量を制限した食事を行い、試合3日前~当日は炭水化物を多めにとる「古典法」と、試合1週間~4日前にかけて徐々にトレーニング量を減らし、3日前~当日には炭水化物を多めにとる「改良法」の二つがあります。

どちらの場合でも同程度のグリコーゲンを体内に貯めることができますが、「古典法」は内臓に負担がかかる、精神的なストレスが大きいといった理由から、現在は「改良法」で行うことが多いようです。

カーボ・ローディングのメリット

カーボ・ローディングを行う最大のメリットは、1時間以上に及ぶような運動を行ったときのエネルギー切れを防げるということです。

カーボ・ローディングを行わなかった場合、競技が1時間半などに及ぶとエネルギー切れを起こして試合終了までパフォーマンスを維持できなくなる可能性があります。

また、エネルギー切れを起こしていることに気づかず運動を続けてハンガーノックを起こすと危険です。

競技時間が長くなると必ず強い空腹を感じる、体脂肪がきわめて少ない、体内に蓄えられるエネルギー量が少ないといった人はカーボ・ローディングを行うとパフォーマンス向上やハンガーノックによる怪我などの防止効果が期待できます。

カーボ・ローディングのデメリット

カーボ・ローディングの最大のデメリットはなんといっても体重増加です。

炭水化物の摂取量を増やしてグリコーゲンを体内に貯蓄するには、グリコーゲン1に対して水分が3必要になります。

簡単にいうと、体内にグリコーゲンを300g貯めるには水分が900g必要になるので、体重は1.2kg増加するということになります。

マラソンやロードレースなどの競技では、一般的に体重が軽い方が有利といわれていますので、試合前の体重増加は大きなデメリットといえるでしょう。

まとめ

カーボ・ローディングは試合中のエネルギー切れを防ぐ有効は方法の一つですが、「必ず行わなくてはならない」というものではありません。

例えば、カーボ・ローディングをせずに試合に挑んでも2時間近い競技に耐えられる、エネルギー切れやハンガーノックを起こさないという人や、1時間半以内で完走するという人の場合、カーボ・ローディングをするメリットはあまりなく、体重増加などのデメリットの方が大きくなります。

カーボ・ローディングを行うかどうかは、競技時間の長さや自分の体質などを考慮して判断し、専門家などと相談の上、負担がかからない範囲で行うようにしましょう。