蒲焼だけではない?!地域によって違うウナギの食べ方あれこれ。
2019年08月13日
栄養豊富で夏バテ対策にもなるといわれるウナギは、蒲焼以外にも様々な調理法で食べられています。
今回は地域によって違う蒲焼以外のウナギの食べ方を紹介します。
日本のウナギ料理
土用の丑の日でおなじみのウナギは日本各地で愛されており、様々な方法で食べられています。
- ひつまぶし/愛知
細く切ったウナギの蒲焼をご飯に乗せて提供する「ひつまぶし」は日本全国でも有名な愛知県の郷土料理です。
おひつにいっぱい入っているため、そのまま食べたり薬味で味付けしたり、お茶屋出しでお茶漬けにしたりと様々な食べ方を楽しむことができるという魅力があります。
- せいろ蒸し/九州北部
タレをからめたご飯の上に、関西風に焼き上げたウナギの蒲焼と錦糸卵を乗せて蒸しあげた福岡県柳川を中心とした九州北部の郷土料理です。
- ぼくめし/静岡
ウナギとゴボウをお米と一緒に炊いて作る「ぼくめし」は浜名湖でウナギの養殖に従事する人たちの「まかない」として生まれたのが発祥だといわれています。
- ウナギのじゅんじゅん/滋賀
生のウナギを開いてそぎ切りにしたものを野菜などと一緒にタレで煮る滋賀県の郷土料理です。
「じゅんじゅん」とはすき焼きのことで、火にかけた鍋から「ジュンジュン」と音がすることからこう呼ばれるようになりました。
- 半助豆腐/関西
蒲焼にしたウナギの頭を豆腐と一緒に煮た関西の郷土料理です。
蒲焼を作る際、関東では頭を落としてから焼くのに対し、関西では頭をつけたまま焼くため、頭も蒲焼になります。ウナギの頭は「半助」と呼ばれ、主に大阪で目にすることができます。
このほか、ウナギは「う巻き」「肝吸い」「白焼」「八幡巻き」「うざく」などとして日本全国で食べられています。
海外のウナギ料理
ウナギを食べるのは日本だけではなく、ヨーロッパの国々や中国、韓国でも広く食されています。
有名なのがイギリスの「ウナギパイ」と「ウナギのゼリーよせ」です。
また、フランス、イタリアではワインで煮たり、スペインでは稚魚を「アヒージョ」にしたり、かなりポピュラーな食材として浸透しています。
なかでも、スペインではクリスマスにウナギを食べる風習があるそうです。日本とは季節が真逆なのが面白いですね。
また、ドイツではくん製にしたウナギをサンドイッチとして食べるほか、酢漬けにしたウナギを使った「アールズッペ」をいうスープがハンブルグ名物として知られています。
中国では輪切りにしたウナギを薬味と一緒に蒸したり、醤油煮にしたりします。
また、韓国では甘辛いゴチュジャンダレを絡めて焼いたウナギを様々な香草で包んで食べます。
まとめ
食材としてのウナギは、日本では縄文時代の遺跡から骨が出土しているほか、ヨーロッパでは紀元前431~404年まで続いたペロポネソス戦争を舞台とした「アカルナイの人々」という喜劇のなかに登場したり、13世紀ごろのローマ教皇がウナギの食べ過ぎで死んだという記述がダンテの「神曲」のなかにあったりするなど、かなり歴史が古いことがうかがえます。
蒲焼もよいですが、それぞれの地域の文化や風土を反映して生まれた郷土料理を楽しむのもよいかもしれませんね。