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嚥下障害を持つ家族のために家庭でできる介護食アイデア4つ。

年齢を重ねると筋肉などが衰え、「飲み込む力」や「噛む力」が弱くなります。

そのため、食事中に「食べ物が飲み込めなくて窒息する」「飲み込もうとしてむせる」といったことが起こりやすくなります。このような、食べる機能が衰えることを「嚥下障害(えんげしょうがい)」と呼びます。

嚥下障害になると、通常の食事では誤飲や窒息などを起こす可能性があるため、嚥下機能に合わせた介護職を用意する必要があります。

家族が嚥下障害を持つようになったとき、どのように食事を作ればよいのでしょうか。

介護職の分類

介護職は料理の形態によっていくつかに分類することができます。

※施設などによって呼び方が変わることもあります。

 

【常食】

健康な人が食べる料理

【一口大食】
食べやすい大きさに調理した常食。噛む力が弱い人向け。

【刻み食】
一口大食よりもさらに小さく刻んだ料理。状態に合わせて刻む粗さを変えることができる。近年、誤飲に繋がりやすいということで施設などでは減少傾向。

【軟菜食】
野菜に熱を加えて柔らかくした料理。肉はミンチ、魚は蒸すなど、柔らかく仕上げる。刻み食に変わり、利用する施設が増えている。

【ソフト食】
ペースト状にした食材を再成形した料理。嚥下力がかなり衰えた人向け。

【ミキサー食】
食材をミキサーにかけ、再成形していない料理。ソフト食でも嚥下困難な人向け。とんかつソースくらいの粘度で仕上げる。

嚥下障害用介護食作りのアイデア

その1 サラサラした液体にはとろみをつける

サラサラしたスープや飲み物は喉のなかを素早く通り抜けるため、嚥下障害があると誤飲する可能性がありますが、とろみをつけて液体の流れをゆっくりにすると、誤飲を防ぐことができます。

とろみをつける方法としては「片栗粉」「ゼラチン」「市販のとろみ剤」などがありますが、片栗粉やゼラチンは料理の温度変化や時間経過によってとろみが変化することも多いため、注意が必要です。

市販のとろみ剤はとろみが安定しているため、調理から時間が経過してもとろみが持続するためおすすめです。使用量やとろみの強さは商品によって異なります。

なお、食材によってはとろみをつけるとかえって危険なことがありますので、「なんにでもとろみをつける」のではなく、とろみをつけたほうが飲みこみやすい食材を選ぶようにしましょう。

その2 食材を蒸す

焼く・揚げるといった調理に比べると低温で調理ができる蒸し料理は、熱で食材の水分が失われたり、タンパク質などの成分が硬くなったりすることを防ぐことができ、食材を柔らかく仕上げることができます。焼く前、あげる前に食材を蒸して火を通しておくと、加熱時間が短縮できるため料理が硬くなりません。

また、茹でたときに比べて栄養の損失も少なくなります。ソフト食やミキサー食を作るときの水分調節がしやすいのもメリットです。

その3 ブレンダ―を活用する

手作業で食材を細かく刻んだり、裏ごししたりすると、多くの時間と労力がかかってしまいます。

ハンディブレンダ―、バーブレンダーなどのブレンダ―を活用すると、刻み食、ソフト食、ミキサー食などの調理が楽になりますよ。

なかでも、先端の刃を付け替えることで「フードプロセッサー」「マッシャ―」「ミキサー」などとして使える「マルチブレンダ―」は、嚥下機能の変化に合わせて調理器具を買い足す必要がないため、おすすめです。

その4 レトルトなどを活用する

すべての食事を手作りするのは大変ですので、適度にレトルトなどを活用してもよいでしょう。

近年、市販の介護食は味・質ともに向上しており、バリエーションも豊富になっています。

そのまま提供してもよいですが、少しアレンジしてもよいでしょう。

映画「天のしずく」

映画「天のしずく」は、嚥下障害の父のためにスープを作り続けた辰巳芳子さんの「命のスープ」を題材にしたドキュメンタリー作品です。

食べることと命の尊厳について考えるきっかけとなるほか、介護食とはどうあるべきかの答えの一つともなっていますので、興味がある方は一度視聴してみてはいかがでしょうか。

また、インターネットでは「命のスープ」のレシピを見ることもできます。

まとめ

食事は単なる栄養補給ではなく、生きる楽しみの一つです。

飲みこむ力や噛む力が衰え、食事が困難になる嚥下障害になったことで、生きる楽しみや気力を失ってしまう人も少なくありません。

食べたいものを食べることができないという苦しみを軽減するためにも、栄養バランスだけではなく、味や見た目にもこだわった介護食を作ることができるとよいですね。

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