何が違うの?栄養士と管理栄養士の違い。
2019年03月05日
出張食堂や仕出し弁当業者の広告や、レシピ本などに「栄養士監修」「管理栄養士によるメニュー」などと書かれていることがあります。
どちらも食や栄養のプロという意味では同じですが、「栄養士」と「管理栄養士」は資格や仕事内容に違いがあります。
資格の違い
栄養士と管理栄養士はいずれも「国家資格」ですが、厚生労働省が指定した養成施設や学校等で単位を取得すると資格をもらうことができる「栄養士」に対し、「管理栄養士」は、管理栄養士養成課程のある大学や養成施設を卒業後、国家試験を受けて合格しなくてはならないという違いがあります。
また、栄養士の資格は都道府県知事が与える国家資格であるのに対し、管理栄養士の資格は厚生労働大臣から免許をもらうことになります。
いずれも「食と栄養のプロ資格」であることには違いがありませんが、栄養士に比べると管理栄養士の方が専門性が高い資格といえるでしょう。
仕事内容の違い
栄養士と管理栄養士の主な仕事は、主に食事管理と栄養指導です。
どちらも学校、保育園、社員食堂などの献立作成に携わっていますが、栄養士は集団に対する一般的な栄養管理がメインであるの対し、管理栄養士は入院患者の栄養管理と指導、特別養護老人ホームなどの特定施設における栄養改善指導や給食管理など、個人の傷病などに合わせた専門的な知識や技術が求められる栄養管理を行っているケースが多いのが特徴です。
健康リスクのある人に対しての栄養指導は栄養士も行うことができますが、すでに病気を患っている人に対して栄養指導を行えるのが管理栄養士です。
また、職場によって違いはありますが、栄養士の多くが調理員と一緒に料理を作るのに対し、管理栄養士は調理には携わらず、栄養指導を中心にしています。
管理栄養士は病院や保健所などで働くことができる
栄養士も病院で働くことはできますが、病院での栄養指導に対する診療報酬は管理栄養士でないと得られないことが多いため、病院では栄養士ではなく管理栄養士が求められているのが実状です。
また、都道府県や保健所に所属する栄養指導員も管理栄養士が勤めることになります。
まとめ
栄養士と管理栄養士の仕事は大きな違いはないものの、管理栄養士の方が専門性が高く、管理栄養士でないと働くことができない場所もあります。
しかし、栄養士は管理栄養士よりも劣っているというわけではありません。実際に調理に携わることが多い栄養士は、栄養バランスだけではなく作りやすさや食べやすさなどにもこだわり、より多くの人が健康的でバランスのよい食事を取ることができる献立を作成しており、スポーツ栄養の分野で活躍している栄養士も数多く存在します。