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大量のエネルギーを消費するラグビー選手にオススメの栄養素と上手な摂り方

スポーツには大きく分けると瞬発系と持久系の二つがありますが、ラグビーは瞬発力も持久力も必要なうえ、体と体をぶつけあうなど激しく体を動かすスポーツです。

大量のエネルギーを消費するため、ラグビー選手は一日4000~5000kcalのエネルギーを摂取するとよいとされています。また、コンタクトスポーツならではのケガから身を守るための筋肉や骨を作るため、様々な栄養素を摂取する必要もあります。

ラグビー選手にオススメの栄養素

  • タンパク質

激しく体をぶつけあってボールを奪い合うラグビー選手にとって、筋肉が多い大きな体は武器であり、防具でもあります。

ポジションによって目標とする体格の違いはあるものの、基本的には筋肉をたくさんつけて体を大きくすることが重要です。

筋肉の原料となるたんぱく質の摂取はどのスポーツであっても必要ですが、ラグビー選手にとっては必要不可欠な課題といえるでしょう。

例えば、ラクビーの強豪国として知られる「南アフリカ共和国」では、ラクビー選手に特化したスポーツ栄養のガイドラインで「体重1kgあたり2~3gのタンパク質を摂ることが望ましい」としています。

日本人と西洋人では食生活や体格が異なるため、同じ基準をそのまま当てはめるのは適切ではないかもしれませんが、たんぱく質が重要であることを示している資料ということができるでしょう。

 

  • 炭水化物

筋肉を動かすエネルギー源となる炭水化物の摂取は、体をスタミナ切れから守りパフォーマンスを引き出すだけではなく、筋肉を守り育てるうえでも非常に重要です。

炭水化物は体内で分解されてグルコースになり、体を動かすエネルギーとして使用されますが、炭水化物の摂取量が少なくグルコースが不足した状態で激しい運動をすると、体は筋肉を分解してグルコースを補い始めます。

結果、たんぱく質を摂取して筋肉を育てるためのトレーニングを積んでいても、炭水化物が不足していると筋肉が育たないということになります。

運動量が大きく、筋肉を大きく育てる必要があるからこそ、炭水化物をしっかり摂っておきましょう。

 

  • カルシウム

激しく体をぶつけあうラグビーは、ほかのスポーツに比べてケガのリスクが高く、なかでも骨折のリスクが非常に高いといえます。

一度骨折した部分は骨折したことがない部分に比べて骨が弱くなるため、再び骨折しやすくなるだけではなく、骨折やケガに対する不安や恐怖から思うようにプレイできなくなる可能性もあります。

激しいコンタクトから骨を守るために、骨を作るカルシウムの摂取を意識しましょう。

基本の三食に補食を加える

エネルギーやたんぱく質をしっかり摂る必要があるラグビー選手は、とにかく量をしっかり食べる必要があります。

朝昼夕の三食をきっちり取るのはもちろん、三食だけでは足りない栄養素を補うための補食も取り入れるとよいでしょう。

タイミングとしては練習前、練習後、夜食の三つです。夜食が必要かどうかは1日の摂取カロリーや栄養量によって変わるため、必ず食べなくてはならないというわけではありませんが、練習前と練習後はエネルギー不足を防ぎ、体の疲労を回復させるためにも摂るようしましょう。

品数は多めに

「たくさん食べれば体は大きくなる」という発想から、一つの料理を大量に食べればよいと考えがちですが、一つの料理をたくさん食べる方法では栄養バランスが崩れやすくなります。

例えば、たんぱく質と炭水化物をたっぷりとるためにカツ丼を2杯食べた場合、たんぱく質や炭水化物の量としてはよいかもしれませんが、脂質の摂りすぎになってしまいます。

体重が重い方が有利なフォワードの選手は脂質もある程度摂っておいた方がよいかもしれませんが、スピードが求められるバックスの選手は体脂肪を抑えつつも体重はキープしなくてはなりませんので、脂質の摂りすぎには注意が必要です。

カツ丼を2杯食べるのではなく、ご飯を大盛りにしたカツ丼1杯に納豆、冷ややっこ、チーズを加えるなど品数を増やせば、炭水化物とたんぱく質を摂りながら脂質の摂りすぎを抑えられるうえ、ミネラルやビタミンといった栄養素も補うことができます。

まとめ

運動量が多く体を大きくする必要があるラグビー選手の食事は、「質より量」と考えられがちですが、実際は量も質も重要です。

品数を増やして栄養バランスを整えるとともに、補食を使って不足しがちなエネルギーとたんぱく質を補給しましょう。