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知らないと毒?!玄米に含まれている毒と玄米の上手な摂り方。

白米よりも多くのビタミンやミネラルを含み、リノール酸、オレイン酸などの必須脂肪酸も豊富な玄米は、健康食材として人気を集めています。

健康維持のため、発芽玄米を積極的に食べているという方も多いのではないでしょうか。

しかし玄米は、健康によい成分を多く含んでいる一方、人間の体にとって毒となる成分も含んでいます。

アブシジン酸

穀物の糠に含まれる「アブシジン酸」は、植物の成長を抑制する役割を持つ植物ホルモンです。

本来種子である「米」を発芽させずに貯蔵できるのもアブシジン酸のおかげといえるのですが、アブシジン酸が活性酸素を大量に生成し、ミトコンドリアを傷つけてしまうと言われています。

フィチン酸

フィチン酸は玄米や雑穀など未精製の穀類や豆類に多く含まれる、強い抗酸化作用を持つ成分です。

ガン細胞の発生や増殖を抑制する効果や血栓予防効果があると言われており、サプリメントなどにも含まれています。

しかし、フィチン酸は鉄分や亜鉛といった体に必要なミネラルと結合して吸収を阻害、体外に排出する性質があるともいわれており、ミネラル不足を招く可能性があるともいわれています。

玄米の上手な摂り方

自然乾燥・低温乾燥の玄米を選ぶ

玄米に含まれるアブシジン酸は、乾燥などのストレスによって合成される成分です。

そのため、高温環境で乾燥させた玄米はより多くのストレスがかかり、アブシジン酸を多く含んでいるといわれています。

ストレスが少ない自然乾燥や低温乾燥の玄米は、高温乾燥の玄米に比べてアブシジン酸含有量が少なく、安全性が高い玄米といえます。

調理前に長時間浸水させる

発芽や成長を抑制する植物ホルモンであるアブシジン酸は、玄米を水に長時間浸して休眠状態から「発芽モード」に変化させることで無毒化できるといわれています。

また、長時間水に浸した玄米は内部に水分をたっぷり含むため、固さが緩和されて食べやすくなるほか、うま味や栄養価もアップするため、アブシジン酸含有量に関わらず長時間浸水をしてから調理したほうがよいとされています。

しかし、水に長時間浸すと雑菌が繁殖しやすくなるため、定期的に水を取り替えるなどの衛生管理をしないと異臭の原因になるため注意が必要です。

ミネラル豊富なメニューと一緒に摂る

ミネラルの吸収を阻害するといわれているフィチン酸ですが、フィチン酸によるミネラル欠乏症のリスクは少ないといわれています。

フィチン酸の摂取による健康リスクがあるのは「ミネラルが著しく少ない食事」のときに「フィチン酸を大量に摂取」すると吸収阻害の可能性があるという程度ですので、ミネラルをしっかり摂取していればフィチン酸を摂っても特に問題ないと考えられています。

まとめ

玄米には毒になる成分が含まれていると聞くと、不安を感じる方が多いかもしれませんが、安全な玄米を選び、適切に調理し、バランスのよいメニューと組み合わせることで健康リスクを下げることができます。

正しい食べ方をすれば玄米が持つ栄養成分を有効に取り入れることができますので、必要以上に不安がらず、積極的に摂取していきたいものですね。