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季節の変わり目だからこそ気をつけること。春の体調不良の予防や免疫力を高めるポイント。

一日の寒暖差が大きく、天候も乱れがちな春は体が疲れやすいだけではなく、ライフステージの変化などから精神的なストレスも受けやすい季節です。

東洋医学では、冬の「陰」から夏の「陽」に変わっていく時期とされる春は気が乱れやすいといわれており、特に五行の「木」の気が強くなると考えられています。

また、木の気は自律神経を司る「肝」に呼応しているため、春は精神的に不安定になりやすく、肝が強くなって気持ちがソワソワする、イライラする、眠れなくなるなど、交感神経が優位になっているときのような状態になるといわれています。

今回は、季節の変わり目である春に気をつけたい生活のポイントをご紹介します。

旬のものを食べる

東洋医学には、食事こそ健康を保つ上で大切であるという「医食同源」の考えがあります。栄養や味のバランスが良い食事をすることはもちろんですが、その時に旬を迎える食べ物は体に必要なものを含んでいるから旬のものを積極的に食べるのがよいとされています。

なかでも、菜の花、タケノコ、フキノトウ、タラの芽などの苦い野菜や、セロリ、人参などセリ科の野菜がもつ香りは強くなった「肝」を落ち着かせる効果があるとされており、春は積極的に食べるとよいとされています。

これらの野菜は体の毒素を排出するデトックス効果や、心地よい香りで気持ちをリラックスさせる効果があるといわれているため、春にはうってつけの食材といえるでしょう。

胃腸に優しい食事

春の気を象徴する「木の気」は「土の気」を弱める作用を持っています。土の気は消化器官を意味する「脾」に呼応しているため、春は消化器官が弱りやすいと考えられています。

また、近年の研究では腸には免疫細胞の約7割が集まっていることが分かっています。胃腸が疲れ、弱っている状態では免疫力も低下してしまいます。年末年始など冬の暴飲暴食でたまった疲れが出やすい春に消化の良い食事を心がけて胃腸を労わることは、東洋医学的にも現代医学的にも理にかなっているといえるでしょう。

リラックスの時間を作る

東洋医学では、春は「肝」が強くなって気持ちが高ぶりやすい時期といわれています。

また、寒暖差が大きく気候も変化しやすい春は自律神経が乱れがちなことから、イライラなど精神的な不調を感じやすいともいわれているため、東洋医学的にも現代医学的にも気持ちをリラックスさせることが重要な季節といえるでしょう。

お風呂に浸かる、音楽を聴く、ハーブティーを飲む、香りのよい野菜や果物を食べるなどの方法でリラックスの時間を作ってみてはいかがでしょうか。

朝は早めに起きる

日光は自律神経を整える働きがあるほか、カルシウム吸収促進や免疫力の強化などの働きを持つビタミンDを生産する効果があります。なかでも、朝日は特に自律神経を整える働きが強いと言われていますので、季節の変わり目で自律神経が乱れやすい春は少し早めに起きて朝日を浴びるとよいと言われています。

また、朝早めに起きることで精神的な余裕が生まれやすい、慣れない通勤や通学でのトラブルに備えることができるといったメリットもありますので、生活環境が変わった方は特に早起きの習慣を取り入れるとよいでしょう。

まとめ

心や体の不調を感じやすい春は、心をリラックスさせ、体を労わることが重要な季節です。食事や睡眠のリズムを整え、心にも体にもゆとりのある生活を心がけ、免疫力アップを図りましょう。