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1年間の行事食を月別で紹介!

日本には、1年通して移り変わる四季があります、その季節の節目ごとに様々な伝統行事が育まれてきました。そして、その行事と深く結びついているのが、彩り豊かで意味深い「行事食」です。

 

本記事では月ごとにどのような行事食が嗜まれているのかについてご紹介します。日本の豊かな食文化を知り、ぜひ皆さんの食卓にも取り入れてみてくださいね!

月別で1年間の行事食をご紹介

1月の行事食

1月の行事食

1月は、一年の幸福と健康を願う行事食が中心です。特に代表的なのは、五穀豊穣や子孫繁栄など縁起の良い意味が込められた品々が詰められたおせち料理。そして、地域や家庭によって具材や味付けが異なるお雑煮は、お餅を食べて年神様から力を授かるとされる縁起物です。

 

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2月の行事食

2月の行事食

2月は寒さが厳しい時期ですが、節分など邪気払いの行事が集中します。2月3日の節分には、その年の恵方を向いて無言で食べる恵方巻が定番です。これは福を巻き込み、切らずに食べることで縁を切らないという意味が込められています。

 

また、節分には魔除けとして鰯(いわし)を焼いて食べたり、年の数だけ福豆を食べる習慣もあります。初午(はつうま)の日には、稲荷神社の神様のお使いである狐の好物とされるいなり寿司をいただく地域もあります。

 

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3月の行事食

3月の行事食

3月は、桃の節句やお彼岸など、女性やご先祖様を敬う行事が特徴です。特に、春のお彼岸(3月20日頃)に供えられるのが、小豆の粒が春に咲く牡丹の花に似ていることから名付けられたぼたもちです。ご先祖様への感謝の気持ちを込めて作られます。また、3月3日のひな祭りには、女の子の成長を祝うちらし寿司や、良縁を願うはまぐりのお吸い物、厄除けの意味を持つひし餅やひなあられが食卓に並び、彩り豊かにお祝いします。

 

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4月の行事食

4月の行事食

4月は桜が咲き誇る行楽シーズン。暖かくなり外に出かける機会も増えます。お花見に欠かせないのが、ピンク、白、緑の彩りが美しい三色団子です。桜の花、残雪、新芽をイメージした色合いは、春の景色の移ろいを表していると言われます。その他にも、春の味覚である筍(たけのこ)を使った煮物や炊き込みご飯、旬の魚である鰆(さわら)料理なども楽しめます。行楽シーズンには、色とりどりのおかずを詰めたお花見弁当も定番ですね。

 

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5月の行事食

5月の行事食

5月は、新緑がまぶしい季節。男の子の健やかな成長を願う行事が中心です。5月5日の端午の節句には、柏の葉で包まれた柏餅が定番です。柏の木は新芽が出るまで古い葉が落ちないことから「家系が途絶えない」という縁起を担ぎます。

 

また、地域によっては中国の故事に由来するちまきを食べる習慣もあります。新茶が楽しめる八十八夜には、新茶を味わい、その年の健康を願います。旬のカツオを使ったたたきなどもこの時期に美味しくいただけます。

 

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6月の行事食

6月の行事食

梅雨に入り、じめじめとした気候となる6月は、食欲が落ちやすい時期でもあります。この時期の代表的な行事食は、京都で夏越しの祓(なごしのはらえ)に食べられる水無月(みなづき)です。氷に見立てた三角形のういろうの上に小豆を乗せた和菓子で、暑気払いや厄除けの意味が込められています。

 

また、この時期に旬を迎える梅を使った梅干しや梅酒を作る梅仕事も盛んに行われ、梅の酸味は疲労回復や食欲増進に役立ちます。

 

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7月の行事食

7月の行事食

本格的な夏が到来する7月は、七夕や土用の丑の日など、夏の風物詩となる行事が続きます。7月7日の七夕には、織姫と彦星をイメージした色とりどりの具材を飾ったちらし寿司をいただくことがあります。ちらし寿司は華やかさからお祝い事全般で食べられるおめでたい料理です。

 

また、夏の疲労回復には、きゅうりやナス、トマトなどの夏野菜を使ったさっぱりとした料理も欠かせません。旬のアジやイワシなどの魚も美味しくいただけます。

 

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8月の行事食

8月の行事食

8月は、ご先祖様をお迎えし供養するお盆が中心となるため、それにまつわる行事食が豊富です。お盆は一般的に8月13日頃から16日頃まで(地域によっては7月)に行われます。この時期は殺生を避けるという考えから、肉や魚を使わない精進料理が基本となり、野菜、豆腐、油揚げ、きのこ類などを中心に、素材の味を活かした煮物、和え物、汁物などが食卓に並び、ご先祖様への感謝の気持ちが込められています。

 

また、暑い夏に食べやすいそうめんも行事食として親しまれており、お供え物としても、また家族の食事としても楽しまれます。

 

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9月の行事食

9月の行事食

9月は、豊かな収穫を感謝する行事が多くなります。特に、十五夜(中秋の名月)には、月に見立てたお月見団子を供え、収穫への感謝と豊作を願います。お月見団子は十五個供えるのが正式とされています。

 

また、秋のお彼岸(9月22日頃)には、小豆の粒が萩の花に似ていることから名付けられたおはぎを供え、ご先祖様を偲びます。新米や栗、さつまいもなど、秋の味覚が豊富に楽しめる季節でもあり、栗ご飯なども食卓に上ります。

 

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10月の行事食

10月の行事食

10月は秋の収穫の時期であり、近年ではハロウィンが賑やかに行われるようになりました。ハロウィンでは、カボチャを使った料理やスイーツが定番。特に、甘くて香ばしいパンプキンパイは、秋の味覚を存分に楽しめる一品です。その他にも、きのこや鮭など秋が旬の食材を使った料理も豊富で、食欲の秋を満喫できます。収穫祭の要素を持つ地域行事では、その土地ならではの旬の食材を使ったご馳走が振る舞われます。

 

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11月の行事食

11月の行事食

11月は、実りの秋への感謝や子供たちの成長を祝う行事が特徴です。特に、七五三(11月15日)には、子供の成長を祝って千歳飴を食べるのが一般的ですが、お祝いの席には赤飯が欠かせません。赤飯には邪気を払うという意味や、お祝い事を意味する赤色から、ハレの日に食べられます。

 

また、新米が収穫される時期でもあり、新米を美味しくいただくことは、この時期ならではの喜びです。酉の市では、縁起物として熊手を飾り、福を願います。

 

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12月の行事食

12月の行事食

12月は、クリスマスや大晦日など、家族や友人と集まる機会が多い月です。クリスマスの食卓を彩るのは、やはりチキンとケーキですね。ローストチキンやフライドチキン、そしてデコレーションされたクリスマスケーキは、楽しいクリスマスの雰囲気を盛り上げます。そして、大晦日には、年越しそばを食べ、長寿を願ったり、一年の災厄を断ち切るという意味を込めます。その他にも、冬至には体を温めるかぼちゃを食べたり、ゆず湯に入ったりして無病息災を願います。

 

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まとめ

1年を通して日本の行事食を巡ってきましたが、それぞれの月が持つ意味や、食の楽しみを再確認できたのではないでしょうか。行事食は、私たちの暮らしに彩りを与え、季節の移ろいを五感で感じさせてくれる存在です。

 

皆さんもこの記事を参考に月ごとの行事食を食卓に並べてみてはいかがですか?