パック配食でよく聞く、カロリー食、たんぱく調整食とは何ですか?
2019年08月09日
食事の宅配サービスとして人気のパック配食サービスですが、料理内容を見ていると「カロリー食」「たんぱく調整食」と書かれていることがあります。
カロリー食やたんぱく調整食は、通常のメニューとはどのような点が異なるのでしょうか。
カロリー食とは
カロリー食とはカロリー控えめに調整されたメニューのことで、肥満が気になる方や糖尿病の方向けのメニューです。
内容は業者によって違いますが、通常メニューが300kcal程度に設定してあるのに対し、カロリー食は240kcal程度になっているなど、通常メニューよりも大幅にカロリーがカットされています。
また、糖尿病の方用に作られているカロリー食は塩分控えめになっているのが一般的です。
たんぱく調整食とは
たんぱく調整食は腎臓に負担をかけるたんぱく質の量を制限したメニューで、腎臓病の方など腎臓が弱い方向けのメニューです。
たんぱく質は脂質や糖質同様に体を動かすエネルギー源になりますが、脂質や糖質は消費されたあと水分や二酸化炭素になるのに対し、たんぱく質は水分や二酸化炭素に加え、尿素や窒素などの老廃物になります。
この老廃物を除去して体外に排出する役割を持つのが腎臓ですが、腎臓が弱ったり傷ついたりしている状態で多くの老廃物を処理すると腎臓はどんどん傷ついて機能が低下し、腎不全を引き起こします。そのため、腎臓病や腎臓が弱い人はたんぱく質を制限する必要があります。
しかし、エネルギー源であるたんぱく質が不足すると低栄養状態に陥ることがあるため、高齢者の場合は特に注意が必要です。
たんぱく質調整食は、たんぱく質を調整するとともに、たんぱく質を制限したことで不足するカロリーを補うため脂質や糖質の量を調節しています。
また、塩分は腎臓に負担をかけるので、たんぱく調整食は塩分控えめになっているのが一般的です。
糖尿病性腎症には「カロリー・たんぱく調整食」を
腎臓病の食事療法では「たんぱく質を制限し、不足するカロリーを脂質や糖質で補う」のが通常ですが、糖尿病が原因の糖尿病性腎症の方は脂質や糖質なども制限する必要があります。
そのため、たんぱく調整食ではなく、カロリーも調整された「カロリー・たんぱく調整食」が適しています。
まとめ
糖尿病や腎臓病などの疾患は完治する病気ではないため、一度かかると食事制限を生涯続けなくてはなりませんが、パック配食のカロリー食やたんぱく調整食を利用すると、手間のかかる栄養計算を行わなくても体の状態に配慮した食事をすることができます。
食事に関するストレスが減ると生活の質が向上しますので、食事制限をする必要があるときはパック配食を利用してみるのもよいかもしれませんね。